江崎玲於奈曰く

うろうろしてたら都教委の国旗国歌強制問題を批判したビラを見た。その中で江崎玲於奈の発言としてすごい文章がクリップされていたので、なんじゃこらと思って調べてみたら元ネタは斉藤貴男「機会不平等」らしい。あれだけ話題になったのに今さら気がつくという間抜けぶりだが、びっくりしたもんはびっくりしたのでクリップしておく。

人間の遺伝情報が解析され、持って生まれた能力がわかる時代になってきました。
これからの教育では、そのことを認めるかどうかが大切になってくる。
僕はアクセプト(許容)せざるを得ないと思う。自分でどうにもならないものは、
そこに神の存在を考えるしかない。その上で、人間のできることをやっていく必要があるんです。
 ある種の能力の備わっていない者が、いくらやってもねえ。いずれは就学時に遺伝子検査を行い、
それぞれの子供の遺伝情報に見合った教育をしていく形になっていきますよ

すごいな。ビラにはその後、三浦朱門曾野綾子のダンナ)の言葉なども引いてあったので、ビラ自体が「機会不平等」にのっかってるんだろう。なんだ、ビラつくる奴はちょっと手抜きしすぎじゃないか。
個人がどういう信条を持とうが勝手だが、教育に関する公的な立場の人がこう言い切っちゃうのはすごい。ノーベル賞受賞者だから窘められないのか。この人も暴論ポスト役なのか。この人、21世紀COEの委員長なんだけど、遺伝子診断しろとか言い出したら面白いな。
でも本気で心の底からそう信じてるみたいなのがいい。高校生相手の講演でも同じようなことを言ってるし。
http://www.koshi-h.ed.jp/risuuka/ssh-koenkai/h15ssh-koenkai/h15ssh-koenkai.htm
http://www.shizuoka-c.ed.jp/iwataminami-h/SSH/SSH.htm
「天性にあった教育が大切」というのがキーワードみたいだが、こういう表現だとちょっとやわらいで聞こえるから不思議だ。別に世の中全ての人間が大学行ってデスクワークにつくのが幸せというわけでもないだろうから、いいたいことはわかるんだけど、物にはいいようがあるだろうというはなし。こういう言い方したら、彼が進めたい方向への反発だけを引き起こし、逆効果でしかない。自分の発言を客観的に相対視できない人は政治に近いところに行くべきではないと思う。
しかし、江崎博士は物理学者だけれど、遺伝子分野にはどれくらい通暁しているのだろうか。「遺伝情報で持って生まれた能力が分かる」というのは遺伝子やってる人はあんまり言わないんじゃないかという気がする。持って生まれた能力の最大限界がわかるくらいじゃないかなあ。