本屋断想。

ベッキーの本の帯に感心した。書店店頭で足が止まり、絶句。
ベッキーベッキーらしさを自分自身でなぞって生きているのは公知の事実と思われるが、「いつも元気なベッキーだって、家ではなみだすることもあるんだ」的な帯ですよね。完全なベッキーぶり。ベッキー道の覇者だ。予想通り。予想通りを予想通りで返してくる強固さに息が止まる思い。

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ハヤカワ文庫と創元文庫の話。
 
本屋に行くとまず、ハヤカワと創元の棚を見に行く。この両文庫のボリュームが一定あり、かつ、品揃えがイケテル店は心のふるさとといえましょう。ハヤカワと創元の息吹を感じると心があらわれる思いがする。
たとえハヤカワ文庫の造本が荒くても、背を高くして書店員を戸惑わせ自宅の本棚を面倒な目に遭わせても、めげずに両文庫を見に行く。
 
今日の創元ハヤカワネタ。

創元推理文庫
ずっと創元で出ていた加藤実秋のインディゴシリーズが集英社文庫で出直しているのを発見。どうしたんでしょうか。
当たり前だが、カバーの絵師が替わっていて、雰囲気もだいぶ違っている。
カバーを猫も杓子も流行りの絵師に寄せてくるのは勘弁して欲しいのだが、慣れ親しんだカバーが替わるとそれはそれで違和感あるなあ。

海外ものではE.C.R.ロラック「悪魔と警視庁」の帯が見どころ。

>>植草甚一も「三冊に一冊は必ず面白い」と評した最良<<

というのは褒めているのか。微妙な気分だ。とりあえず「その三冊に一冊しか翻訳しません!」と宣言してみるといいと思う。
 
創元SFではP.K.ディックの新刊を見た。ディックの新刊(というか本邦未公開、未翻訳)は時折ちょぼちょぼ出るが、コレクション価値とか文学史的な価値とかはあるのだろうけれども、それがディックでなくても出してもらえる水準の作品なのだろうかと気になる。
それは自分で買って確かめるべきなのか。
なにごとにおいても、すでに駄作と歴史的に評価が確定した作品にはまるべきかというのは、遅れてきたファンがいつも直面する問題であるけれど、死せるディックがリアルタイムでこの問題をあまねく年代のファンに投げかけているというのは面白い。

ハヤカワミステリ文庫。
特捜部Qを急ピッチで文庫に落としているようだが、今年の正月からポケミスで買い始めた自分に対する手ひどい裏切りである。憤慨。
年末のミステリランキングを見て、3作目が人気になっているので読もうかと思って、でも連作を途中から読むのは嫌だからまずは1作目から、と思った者は自分だけではあるまい。もうちょっとなんとかならんかったか。それとも、「あ、ポケミスだ、じゃあやめた」という者はそんなに多いのだろうか。よくわからない。

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漫画の話。

女性向け月刊漫画雑誌、kiss(講談社)の新連載はヤマザキマリによる「スティーブ・ジョブス」。伝記。
これはは笑うところなのかどうか。悩む。
 
ところで、今もっとも読むべき漫画家は衿沢世衣子ですよ。たぶん。特に「ちづかマップ」は最高。ぜひみんな読もう!