郊外化についてのメモ

http://d.hatena.ne.jp/solar/20050111#p2 をみながらおもったことを。
solarさんが問題にしている郊外化とは若干ずれるかもしれないが、実感としてはロードサイド店の集積は再び活発になってきている。以前は、大都市から電車で一時間くらいの、半分農村半分住宅地という新しく開発され、混住化がすすみつつあるところが集積の中心だったが、そこから現在は再び内部に反転してきていて、都市から電車で20分くらいの、ごく初期に住宅地化されたところが中心になってきているように思う。これらの住宅地の多くは集団就職世代が住み着いたところだが、それらの世代が年をとり、子ども達は独立したことによって半ばゴーストタウンのようになっている。要するに、団地で生まれた子供は、団地に帰ってこないということだろう。またそもそもこの世代のための団地は、大規模な人口移動に対応するための緊急避難的住居であって、終の棲家とするには不十分ととらえる人が多いのかもしれない。したがってこの時代に乱立したいわゆる“ウサギ小屋”住宅が軒並み取りつぶされたり、再開発されたりしている。
この比較的中心に近いところの再開発には、自動車の影響が強い。再開発−大きな道路−ロードサイド店集積とはつまり、自動車による都市再編だ。自動車がうまく活用できるための都市。自動車が生活にはいることによって、くらしの半径がどれくらい変わるのだろう。自分の興味は郊外化よりも地域再生にあるのだが、それにしたって自動車が生活に与えるインパクトは考えないわけにはいかない。環境経済学では「自動車の社会的費用」に代表されるように、自動車の影響に間する蓄積は多いが、文化と社会の視点から自動車をどう意味づけているのかについてはよく知らない。モータリゼーション盛んなりしころの論考だけでは不十分で、現代の視点から再び自動車を問い直すことは必要だろう。でも自動車屋さんは日本随一の産業だし、日本で一番大きな企業だってところが問題だよね。