選挙報道裏話

たかじんのそこまで言って委員会」をぼんやりと見ていたら、マスコミ経験者たちが選挙報道の裏話を披露していた。面白かったので記録してみた。

三宅久之
・50年前くらい、新聞記者をしていた時代の話。東京でつくって青森へ送るには列車の時刻が決まっている。開票前なのでどうするのかと思っていたら、先輩記者が適当に票数を割り振って記事を書いていた。そういうやり方だから、確定してみたら確定票数より途中票数の方が多いことがあった。
・20%くらいの開票率で当確を打つための計算式がある。それをつかえばきちっと出る。
宮川俊二
NHKにいた頃、NHKが当確をうたないと万歳しない、という事務所もあった。
NHKは全部開票所に行く。開票の山を望遠鏡で見て打つ(出口調査に頼らない)。山の高さが競ってる間は決して当確を打たない。だから間違いが少ない。
辛坊治郎
・20年くらい前までは民放テレビ局は当確を打つのに競争していた。これは第一に当確を打った局が代表インタビューできるという慣例があったため。しかし当確の打ち間違いが頻発した年に、各局の重役が政府に呼ばれ、「当確打ち間違いは放送法違反・次もやるようなら免許取消も考える」と言われた。それ以降、当確間違いはでなくなった。今ではテレビ局もよそが打つまで当確を打たないというムードになっている。
・もう時効だと思うから話すが、20年ほど前の話、先輩記者がある候補の事務所で当確が出る前に万歳を頼んだことがある。当の候補は、NHKが当確を打つまで万歳はしないと言っていた。しかしその時、うちの局ではそこの事務所にしか中継を手配できなかった。その時間の開票情報では第一位だったので、先輩記者はなんとか頼み込んで万歳をしてもらった。放送時間にもうまく入ってよかったよかったと思っていたら、その後開票が進むにつれて、だんだんその候補の順位が落ちだした。それをみて、東京の局から先輩記者に「逃げてこい」との連絡が入った。

宮崎哲弥が「当確ってなんで必要なの?」と声をかけるが、おじちゃんたちがヒートアップしていて相手にしてもらえなくておもしろかった。辛坊さんのぶっちゃけぶりもいい。