オーマイニュースを知った
先日も書きましたが、この年末年始にオーマイニュース関連の騒動をまとめ読みしたわけです。
マインドは共感できるものの、システムがへぼくて無闇にストレスを増大させ、内部に有為の士がいるがそれをいかせず、スポークスマンが慣れていないので隙が多く、にもかかわらず煽りにかかるので目も当てられない、という一連の経緯は、やっぱ1chだよなあというのが第一印象。
自分はどちらかといえばレフトサイドで、でもできるだけ是々非々であろうとしていて、ネットには基本的にオルタナティブを求めているわけですが、ネットのオルタナティブ「世論」ってどうも陰謀論めいた左右両サイドと突き抜けた保守反動が目立ち、穏当レフト向けの「場」はあんまりないように感じています*1。だから、この手の「場」の形成には興味があるのですが、なんかどうもうまくいかない傾向があるっぽいのはなぜなんでしょう。
そもそもネットワーカなんて西海岸でヒッピーカルチャーだからほっとくと左がかりそうなのに(偏見)、なぜ「場」といえば保守反動ばかりが目立つのか。「場」は群によって形成されるからそもそも保守反動と馴染みやすく、「個」を基本とするネットワーカとは相容れないのでしょうか。
もしかすると、アナーキーやアンチが主調だったネット空間が同調圧力を基盤とするムラ社会色に染められていくことこそ、ネットの大衆化であり、ネットワーカの特権的支配からの開放だったのかもしれません。そう思うと、西海岸臭さをたぶんに含むはてな村は、特権的ネットワーカ階級による帝国支配体制の残滓なのかも。ネ帝粉砕!はてな村解体!をスローガンに、ムシロ旗が翻る日も近いのでしょうか。
まあ上記は全て与太ですが、そんな与太などつぶやきながらごろごろしていると、手許に積んであった別冊宝島にちょうどオーマイニュース本国版のエピソードがでていました。
別冊宝島Real068 「追跡!平成日本タブー大全?」
寺澤有『「警察」と「記者クラブ」の“談合”事情 国民の“知る権利”を侵害する“癒着”の実態!』 P. 101より
隣国・韓国でも日本占領時代に記者クラブが誕生した。そして、独立回復後も、記者クラブは政権と癒着し、国民の「知る権利」を侵害し続けてきた。しかし、〇一年、ある事件がキッカケとなり、記者クラブ制度は崩壊する
この事件とは、仁川国際空港オープンに当たっての記者ブリーフィングに、オーマイニュース記者が参加したところ、幹事社に『記者クラブにカメイしていない人は出てください』といわれたもの。これに対し、オーマイニュース記者が公共の記者室から出ていけとはどういうことじゃい!と抗議したうえで裁判に訴えた結果、オーマイニュース記者の出入りを妨害してはならないという仮処分命令が同年七月に仁川地裁にて下されたらしく。
呉連鎬『オーマイニュース』最高経営責任者によれば、「私たちが仮処分命令を申し立ててから、インターネットなどで猛烈な記者クラブ批判が巻き起こりました。結局、空港公社は上訴できず、仮処分命令が確定しましたし、地方の役所の記者クラブまで解体が進み、もはや韓国に記者クラブはありません」という。
へーすごいなーオーマイニュース、と思いました。なお、上記エピソードの信頼性についてですが、寺澤有は好きなので信用してます、とものすごく個人的なことをいっておきましょう。ここはそういう、信頼できない匿名の個人が主催している空間です。読者自身の判断でどうぞ。そもそもごろごろしながら読んでただけなのであんまり確かめるつもりもないというのが正直なところです。ま、すべてがオーマイニュースによるものではないかもしれませんし、もしかしたら全部、思い過ごしなのかもしれません。ただオーマイニュースの関与が実際にどうなのかはともかく、上記エピソードによって示された「結果」に単純にほほぅと思います。記者クラブなくなったらそりゃすごくポジティブなことではないかと。
現在とてもぐだぐだしている日本版オーマイニュースですが、本家オーマイニュースのこの一点のみでも後追いできれば、一気に挽回できるように思います。今、経営資源をつっこむべきはここですよ、きっと。
*1:オピニオンはいろいろあると思いますが