虹果て村の秘密

有栖川 有栖 :講談社ミステリーランド虹果て村の秘密 (ミステリーランド)
ミステリーランド、アリス版。ミステリーランドを読むのは殊能につづいて2冊目だが、企画の主旨のためかどちらもあとがきが素晴らしい。あのミステリ作家の子供の頃の思い出エッセイがついているよ、という感じに読む。シュノたんのあとがきは切なかったけど、アリスのあとがきはわくわくしてくる。
本編はまあ子供向けと思って書いたんだろうなあ。基本的には謎はワンアイディアでむしろ冒険潭のほうがいきいきと描かれている。極めて健全。自分の子供の頃を思い返すと、これでミステリ好きになるかなあ。なんかミステリ味付けのズッコケ三人組という雰囲気を感じた。ミステリファンとしてのエチケットみたいなものをさりげなく書いているのは面白い。

ニュース10

NHKニュース10を見ていたら、ヒマネタ的にローダンシリーズが特集されていて驚いた。内容は、
・今度日本語版で300巻が出る
・挿絵は当初から依光氏(78才) イメージに合う絵を描くよう心がけている
・原作国のドイツではテレビ化されるほど大人気ですでに1000巻でている
・ドイツでは月2回刊だが日本では月1回刊なので差は広がるばかり
・翻訳者の都合上、これ以上のペースでは出せない、という早川書房の弁
・熱心なファンはドイツ語を勉強して原作を読んでいる
・新刊の内容をメルマガにしている人もいる
・ドイツの作者とやりとりしているうちに登場人物の名前になったファンもいる
てなところだった。メルマガの人中心のローダンファンの300巻記念オフ会らしき宴も取材されていたが、みんな大人でSFな雰囲気が素敵だった。やっぱSFの濃いところはアダルトだなあ。早川にきたアンケート葉書のも映っていたが、「生きているうちに終わりまでいけるのか」とか「いささか意地になって読み続けている」とかこれまたアダルトな雰囲気で大変予想通りだった。ああいう立派な大人になりたいものだ。