週刊文春 ナンバー失念

特集は浅田農産。自殺のことは扱いが難しい。ジャバザハットこと小野氏は性の宗教儀式を行っていたそうですよ!なんという週刊誌らしい週刊誌記事だ。素晴らしい!仏教で性の儀式と来れば真言宗かと思いきや、小野氏は日蓮宗ゆかりだそうだ。
連載。先崎学、将棋界の社交現場という感じで面白い。加藤一二三はチャーミングですな。小林信彦東京大空襲を振返るペーソスあふれる記事の横に林真理子のクソダイエット記事。林真理子自身が悪いわけではないのだが至極不快であった。林真理子がやせようが太ろうが知ったこっちゃないんですよ。なお小林が書いている体験画で語る大空襲展は東京以外に大阪大空襲についても行われているようだ。高島先生はいつもながら興味深いが今回は喧々諤々の話。ツチヤ先生は久しぶりに読み甲斐のある内容。面白いときはこんなに面白いのにねえ。
書評コーナーでは檀ふみが父親のことを書いた本を語る記事が先頭に来ていた。ふつう、この「著者は語る」は書評コーナーでは後のほうなので珍しいなと思ったが、「取材・構成 福田和也」とあり、これはあのフクダカズヤでそのせいなのかしらん、と思う。内容はまあよくある宣伝だが、檀一雄のことが気になってふみの書いたものを読んでいる自分などには興味をそそる内容であった。しかし曲がりなりにも檀ふみが著述業としてまた父の娘として、しっかりした語りなのに、数ページ離れた対談にみる阿川佐和子には苦笑を禁じえない。そのお年にして「やだあ(笑)」はないだろう。阿川嬢(苦笑)はゲストが年下のときはおばさんぶり、年長のときは(今回は岩城宏之)カワイコちゃんぶるのだが、そのサマがいかにも文藝春秋御用達という気がして辟易する。徹頭徹尾安全圏。保守本流。お嫁さんにしたいなんちゃらみたいだ。それに比べて辛酸なめ子。比べるべくもないが、週刊文春芥川賞パーティーをこんなふうに書いていいのかね。超おもしろい。しかし「芥川・直木賞受賞パーティーに行った」という記述、今回はあちこちで見るな。私の三品を語るコーナーの加門七海は、頑固職人に怒られる日常らしい。どんな街でどんな行動半径で暮らしているのだ、と絶句してしまう。
総体的に、今週は買う甲斐のある週であった。