今回は本を買わないように気をつけた だって荷物が重くなるじゃないか

巡礼中の読了本記録をざーっと。
蒼紫の森:桑田乃梨子蒼紫の森 (白泉社文庫)
 桑田乃梨子の制服もの短編集成。「ほぐれゆく私」が特によかった。桑田の踏み込みが浅いところが好きだ。世の中そんな大活劇ばかりじゃなくてもいいんだよ。ねこマンガは笑える。くわたんを文庫化する白泉社はえらい、ということにしておきたい。それはともかく花とゆめ系の白泉社文庫の購入者層を見てみたいな。
平成よっぱらい研究所 完全版:二ノ宮知子平成よっぱらい研究所―完全版 (祥伝社コミック文庫)
 描こうと思えばおしゃれ・サブカル交友録にも描ける身の回り群像をこういう風に描くってのにまず感心。内田春菊だとこうはいくまい、というのが第一感想っていうのはどうなんだろうか。のだめで読むようになったにわか読者だが、やっぱ面白いなこの人。
ザ・ベリー・ベスト・オブ「ナンシー関の小耳にはさもう」100 :ナンシー関ザ・ベリー・ベスト・オブ「ナンシー関の小耳にはさもう」100 (朝日文庫)
 あらためて読むといかに自分の思考やレトリックがナンシー関に影響を受けているかと言うことがよくわかって、あらためて悲しかった。ファンだと自称できるつもりはさらさらなかったが、なんかめっちゃ影響受けてる。収録作品にはスポーツネタも多く、今夏多くの人が思っただろうが、ナンシー関がいてくれたらオリンピックのあれこれにどうつっこんでくれただろうと思ってしまった。しかしあの夭逝さえも伝説の一部のような気がして、なんかそれはそれで上手く完成されているようにも思うなあ。
黒後家蜘蛛の会 5:アイザック・アシモフ黒後家蜘蛛の会〈5〉 (創元推理文庫)
 すごく面白くて大好きではあるけれど、どう考えても推理でもなんでもないときあるよな、と前々から思っていたら有栖川有栖がそのような趣旨の解説を書いていたので思わず笑ってしまった。もちろん、そういうところもまたいいのだ。このシリーズも描かれる社会風俗が情緒を感じさせる。ベルリンの壁崩壊後に大きくなった身には、東西冷戦・核の冬など冗談にしか感じられないのだが、黒後家蜘蛛シリーズでは暗いアメリカがイメージされて趣深い。あれですな、アメリカの物言えば唇寒しは別に今に始めてのことではないのですな。