岡田斗司夫のロジカルセックス

オタで思い出しましたが、↑というタイトルの連載が始まったわけですよ。今月のBUBKAから。一般人のふつーの感覚としては、岡田先生の容姿とオタキングなる称号をして、どーして「これさえ読めば誰でも気軽に楽しくSEXできるようになることまちがいなし!」な連載につながるか理解しづらい訳じゃないですか。度肝を抜かれました。つーか一部でしきりとネタにされる「ソープに行け」級のボケ連載を、ツッコミ芸雑誌が自らの紙面で展開する気かと。
さて今回は第一回なので、「SEXの前にまずはモテるということについて考えてみよう」というテーマです。
・モテモテというのはそんなに楽しい状態じゃない
・いくらモテても嬉しくないタイプの女の子っている
 →だから「モテる」ことはさして重要なことではない
・恋愛/SEX、どちらがしたいのか見極めが大切
というようなことを論じておられます。ここで高度なレトリック:決して自分の体験とは書いていない。「僕はこれまで数百人の男女に恋愛やセックスについての取材をして確信した」とか自分が「目撃」した宮台真司の例を引いたりとかして、傍証をあげることでお前にモテモテのなにがわかる?的つっこみを回避しています。さすが。ただこういう論理的(言い換えれば屁理屈)な展開は岡田先生の得意とするところでしょうが、この連載では後半が「実践編」なのです。注目の実践編とは「言うならば技術的なことを教えよう」という趣旨です。別に岡田先生だからじゃなくとも、“セックスについて技術的なことを教える”というスタンスは、通常人がなかなか到達することのできない高みにあります。加藤鷹でもあるまいにぬけぬけと“教えよう”とか言えるところがもうすでに振り切っています。で、肝心のその技術指導とは「セックスはソープで習え」ということなのですが、ここでもまた巧妙なレトリックが。「「セックスはソープで習え」と僕に教えてくれたのは漫画家の江川達也だ」だそうで。技術指導のための「実践編」で、中心部分の技術が人から教わったものってどうよ、という気もしますし、江川達也か...という気もします。非常に複雑な一文です。一番ひっかかったところを抜き書きしてみます。

ソープを使ってモテる男になる。実際、江川君は十分にモテているし、
周辺に取材したところ、かなりのテクニシャンらしい。

モテる男って江川とか宮台か、と思うのはきっと間違いで、身の丈サイズの目標設定をして下さっている、と考えるのが正しいのでしょう。実戦的アドバイスとして考えれば、超絶モテモテいい男になるのは大抵の人には無理なわけですから。しかしそれにしても江川か...という一抹の思いが胸に残ります。昔、鴻上尚史のエッセイかなにかに女に迫られて困ったという記述を見かけたときに近い寂寥感です。現実って本当にいやな味がしますね。