ウェブログで傍観者的立場をとること

「リンクしないで言及する行為」というのはkanoseさんの名付けだけれど*1、今日とあるところで、「トラックバックするといろいろ面倒なのでコピペで行ってください(原文大意)」とURLを提示しているウェブログを見た。こりゃすごいなーと思った。
Aというウェブログの記事に発する一連の流れに対して、A側には見解を異にするBというウェブログがあって、AとBの間では盛んに論争が行われている。どっちかっていうとAの立場で発言するウェブログが多い感じ。Cというウェブログはそれを見て、B側とは少し異なる視点から、Aの意見には否定的/批判的な感想を持ちそれを自分のところに書く−おおまかにいってこういう状況にある中、Cが「トラックバックするといろいろ面倒」という気持ちを持つのはわからないでもない。しかしずっとリンクしないで言及するだけならともかく、CとCのコメント欄投稿者たちが語り合う材料とするためにAのある記事URLを上記のような文面で提示するというのはすごい。
トラックバックすると反論されたりしてうざい、という想定が大きいのかもしれないけど、別にトラックバックが必ずしも反論に結びつくわけではないし、反論されてもいやなら流せばいいし、なんか自意識過剰っぽいなーと思った。あるいはAをなんにでも噛みつく狂犬とみなしているのかな。ストーカー殺人が起こりうる世の中、自己防衛に気を配るのはしかたのないことなのかもしれない。
 けどウェブログはツールとして当事者性を持たせる気がするので、ウェブログでこういう文面に出会うとなんだかちょっと不思議な感じがした。というわけでウェブログで傍観者的立場、というか関西弁で言うところの「いっちょかみ」を気取るには、ちょっと表現に工夫が必要だと思う。気持ちはわかるのでスタンスを否定するつもりはないけれど。でもリンク/足跡が残らなければいいという雰囲気は、2chコミュニティの悪弊かもなあ。
あ、この記事では件のウェブログをリンク/トラックバックしていないけれど、個々の例についての感想ではなくこういうの一般の話なのであしからず。