オールザッツを朝まで見た

すごい時間の無駄遣いと思いながらも、結局朝まで見てしまった。しかもビデオにとってさらにそれを見ている。バカだ。ネタで面白かったのはPOISON GIRL BANDの「しゃべり場」、シャンプーの「マリコさま」、笑い飯「財布」。POISONはほんとに面白いなあ。笑い飯はその瞬間はそれほどとも思わなかったが、ビデオを見返すと思ったより面白かった。爆発力はないけどするめ力があるのかな。
パフォーマンスとしてはともかく、構造として面白いと思ったのはとろサーモンのボケをほっとくやり方。つっこまないわけではないが、つっこみつつもほっとくっていうのがなんだか新鮮な感じがした。個人的に若手芸人のネタでは、古いやり方をきっちり仕上げてくるより構造として新しげな方が好きだ。プラン9はつっこみが灘儀さんのほうがいいんじゃないかなあ。構造としての新しさを追求してるっぽいけど、ヤナギブソンのつっこみはちょっとやさしすぎるように思う。古いやり方をきっちり仕上げてくるという意味では、ビッキーズは知らない間にずいぶん達者になっていると思う。最近のビッキーズはかなり面白い。ランディーズはどういう方向でやっていくつもりかわからないが、左の人がものすごく演芸声なのでスタンダードなのが映える。天津のネタは2ちゃんっていうかネタ系テキストサイトっぽくてなんともいえない気分になった。一般的な意味でスタンダードじゃないけど、ネットで遊んでいる人たちにはスタンダードというネタは、今後どこへ行くのだろう。バッファロー吾郎もそれっぽいところから今のフィクサーっぽい位置までいったわけだが、成功モデルとしてはなぞれないだろうし、どうなるんかねえ。
南海キャンディーズは相変わらずしずちゃんが化け物。男女コンビで女性が化け物っていうのはめずらしいのではないだろうか。去年のオールザッツで初めて見た時は、しずちゃんってテレビとか出ていいの?というスレスレな思い(ジミー大西とか山田花子の系統という意味で)を抱いたが、今年のいろいろを見ているともしかして地ではなくて芸なのかと思うようになってきた。技巧だったらすごいなー。お笑いは時にスレスレな感じの人がいるのがスリリングなところだが、やっぱり何遍見ても野性爆弾はヤバイと思う。スレスレすぎじゃないか。ちょっとこわいくらい。野性爆弾問題は一度ゆっくり考えてみなくてはいけない(というほどのこともないか)。
アジアン、青空と女性コンビも2つ見られたが、どちらもなんだか古いというかスタンダードな感じだった。いくよくるよ?みたいな。1ネタみただけでいうのもどうかとおもうが、コンビの芸風にいろいろバリエーションが用意されつつある昨今にこれはないんじゃないかなあと思った。けれど女性コンビの母集団が少ないから目立つだけかもしれない。個人的に今までで一番好きだった女性コンビは高僧・野々村なので、ああいう引いた感じの女性コンビがまた見たい。そういえばM-1でみた東京ダイナマイトのつっこみの人は高僧のつっこみとちょっと似てたな。
レイザーラモンの出オチっぽさ、たむけんのキレ芸などは風物詩っぽくてよい。大喜利での城野大活躍、ロザン宇治原がミニゲーム成功してしまうしょうもなさ、灘儀ボンジョビなどにも年末らしさを堪能した。ケンコバがピンクローター漫談とかいうわけのわからんものを繰り広げたり、バッファロー吾郎ドラクエコントの冒頭無言で歩いていると思ったらトヘロスだったりというのもらしくてよい。そんな中、トータルテンボスがバッファの後に、ドラクエのトピックをかぶせてきたのには番組としてのグルーブ感を感じた。トータルテンボスは去年もオールザッツで見て、めちゃめちゃ面白いと思ったが、今年もやっぱり面白かった。ぐだぐだ向きなのかなあ。トータルテンボスはコトバの使い方が面白くて、今回も「永久未来なくねぇ?」が無性に面白かったが、コバもおんなじフレーズを引っ張っていたのはちょっとうれしかった。台本としてもパフォーマンスとしてもそう面白い訳じゃないのだが、なんか面白いというトータルテンボスの不思議さ。空気感みたいなのがいいのかなあ。こういうことをもじょもじょ考えていると、いつものことながらmatterhornさんのM-1におけるトータル評は含蓄に富む:http://d.hatena.ne.jp/matterhorn/20041229#p2
4時くらいまで面白いところを引っ張られたので、結局最後まで見てしまった。陣内のさくさく流す司会は良し悪しだと思うが、天然の陣内さんがピン芸人をやっていたり司会者をやっていたりするのも不思議なところだ。そういう意味ではサバンナ八木がつっこみっていうのも不思議。ボケは技巧だからバカにはできないのかもしれないが、南海キャンディーズみたく猛獣と猛獣使いというコンビも一方にはあるわけで、うーん、漫才というかコンビの芸人って難しいなあ。