雑誌の年齢の話

Natural-Color-Paranoiaより:http://d.hatena.ne.jp/cuteplus/20050319
読者が雑誌と共に年をとっていったりするので、雑誌が受け皿になることが難しい場合があるという話。雑誌好きとしては非常に興味深く思った。ひとつだけ、

昔、漫画雑誌の編集をやっていた頃、読者アンケートの集計作業で、平均年齢二十九歳という数字が出て、オタク向けな内容との落差に目を疑ったものだけど、これはこの雑誌が集計当時で創刊から15年近く*1経っていて、その頃からの読者が平均を引き上げていた訳です。

この時のアンケートの結果は、平均値じゃなくで最頻値で見た方が面白そうだなと*1。というか、分布の形がどうなってるのか。面白そう。オリジナルの読者の一部がずーっと年をとっていき、その反面で、ある年齢の時だけ加入してくる読者がいるなら、二峰型っぽくなりそうな気がします。しかも上の山がだんだん右へスライドしていく二峰型。そうなっちゃうと、確かに雑誌の方針としては難しいだろうなあ。どっちのピークにあわせるんだと。
今、いくつかの雑誌を定期的に購読していますが、読者として考えると雑誌の方針は安定していて欲しい反面、変化し続けて欲しいと思います。我ながらわがままだなー。でも裏切って欲しくないけど、こちらに迎合して欲しくないのも本当のところなので、常にいい意味で裏切り続けてくれるといいんですけどね。ある一定の嗜好にフィットするから買っているわけだから、いきなりがらっと方針を変えられると、ついていけなくなったり、読者として寂しい気持ちになったりするのは間違いない。個人的には、リニューアルで買わなくなった雑誌の筆頭はGONです。あとぶ〜けが大判になったとき。けれどもいつまでも十年一日のごとく、テイストもカラーも変わらない雑誌というのも読者として複雑な気がします。年をとっていると言えば、数日前にも書いた週刊新潮の年取りっぷりはすごい。エイジング雑誌。このままの勢いで行くと、「最後の週刊新潮読者」とかいう存在ができるんじゃないかと思います。でもこれはこれで伝統芸能だから今さら若向きにならないでほしいような。ヤンマガもそろそろやばいですね。車とヤンキーじゃない漫画を入れるべきだと思うけど、車とヤンキーじゃないとヤンマガじゃないという気が既に。あとあまりにも誌面が閉じたサークル化してしまうとちょっとつらい。週刊金曜日とかあれこれとかつらかったなあ。
昔は好きだったけど今は読まない雑誌といえば、少女漫画誌の類が一番です。さすがに登場人物が中高生の恋愛漫画は読んでてつらい。真面目に読めない。一方、少年漫画誌はまだまだ読んでいます。恋愛じゃなかったり、最近のファンタジーばやりで学校ネタが少ないからでしょうか。あとはPATIPATIとかそういう今となっては恥ずかしい系音楽雑誌。これは読まなくなった。むしろ自分にとっての黒歴史。EPICソニー全盛期のPATIPATIとかB-PASSとかGuitar Book(GB)とか買っていたことは早く忘れたい思い出です。あとは多分読まなくなってたろうけど雑誌がなくなっちゃったというケースもいくつかあるか。PU-TAOとか。
これは自分だけかもしれないけど、創刊早々から知っている雑誌には、単なる末端一読者であるにもかかわらずパトロン気分で接してしまうのですよ。自分が買うだけじゃなく、友達に広めようとしたり、まわりの本屋をまわってどこに売ってるか気にしてみたり。新しく置きだした本屋で敢えて買ったり。パトロンったって気分だけだから金銭的には一冊買うだけなんですけど。でも気分は勝手に「見守る」モードに入っているから、店頭でチラ見してしょーもなーと思った月でも、いや俺が買い支えてやってるんだからとか思って買う。一冊だけど。義務感で買う。しかし、しょーもなーと思うような月が数ヶ月続いたのちに意に背くリニューアルなどされると、おまえそれはないだろうおまえおまえと思ってしまうわけです。北島マヤに突然恋人が出来たのを見る紫のバラの人のような気分に(ちがう)。こういう輩が全国に数百人とか数千人とか場合によっては数万人いるんだから大変なことですよね。自分はサイレント読者なのでおまえおまえと思ったら黙って買うのやめちゃうだけだけど、人によっては手紙出したりメール出したり電話したりするんだろうしなあ。
まあでもそういううっとうしい読者ですけど、雑誌と共に年をとるのは別に望んでないです。自明のように共通理解を前提にする雑誌には、たとえ愛読誌でもちょっと引きます。あと若者雑誌が、あがった年齢層に対応しようと政治経済ネタを持ち込むのを見るとちょっとうんざりします。無理するな。でも定番が心地よい雑誌と、マンネリがしょーもない雑誌の区別は厳然と存在するので一定ならいいってわけでもない。週刊文春とか型ができあがってるけどあんまり古い感じしないのは総合誌だからなのかなあ。

*1:平均とか最頻とかについてはこのへん参考:http://www.hatena.ne.jp/1107523529