紙の爆弾 05Jul.

噂の真相を総括する」と表紙に書かれては買わざるを得ないと言いますかなんといいますか。総括にはたとえば、岡留氏はのたれ死ぬのがふさわしかったという趣旨のこととか、黒字勝ち逃げのどこが反権力だというようなことが書いてあったりして、ある意味ではまことに納得のいく論点なのだけれども、このあたりをどうとらえるかというのがウワシン読みとして分かれるところだなあとつくづく思う。ウワシンの評価が実態以上に上積みされているという論には完全に同意する。それをはっきり断言することには意味があると思う。けど個人的には、社会に対して雑誌がムーブメントを形成するということ自体になんとなく気持ち悪いものを感じているので、ウワシンは薄っぺらいから読みやすいっていうのもあると思う。ゆえに主張そのものにはふーんという感じ。そのあたりは好悪の問題だからそれぞれが考えればいいことだけど、少なくとも自分は最初からそんなに期待せずに、いわば利己的に、自分にとっての視点を確保するためだけに読んでいたのだなあと再確認した。こういう冷笑的な態度って本当に社会に対してよくないと思うんだけど、なんか習い性になってるところがあるんだよね。
さて紙の爆弾といえば創刊号の文章のめちゃくちゃさを思い出すわけだけれど、今号はそういうところを全く感じなかった。内容も充実している。ホワイトハウス男娼事件とか日大学長選挙関連は本誌で初めて知った。やっぱりこういう雑誌は書き手の質がもろにでるのだなあという感触。「本誌特別取材班」的なクレジットでなく、個人のクレジット記事が格段に増えているのが、良くなった理由だと思う。読みがいのある雑誌が増えて嬉しいよ。ウワシン総括は次号も続くそうなので、また出会えば買ってみようと思います。