更科さんの書きっぷりに

http://d.hatena.ne.jp/cuteplus/20050729/p1

間違いなくオタク側として呼ばれたんだろうけど、オタク関係のコミュニティでは「このクソサブカル野郎」と罵られているような怪人ゲスコウモリなので、「オタク×サブカル終戦争」という今回のテーマがいまいちピンと来ないのですよ。

なんか既視感のある述懐だなあと思って思い出倉庫をふりかえってみたら、あれだ、このミス99年で笠井潔vs覆面座談会の対立についての交通整理エッセイを書いたときの千街晶之だ。99年このミスにおける笠井潔の匿名座談会批判と批判された側の反論はめちゃくちゃ面白いので、興味がある人はぜひ読むべき。というのも、言説の内容自体はどちらサイドにもみるべきところがあるにもかかわらず、なんかどっちも微妙に感情的なために、書き手の人格的しょーもなさ(といっても人格全体じゃないですよもちろん。この話題にむきあうときの人格ね。)の方が印象に残ってしまうという、大変興奮する読み物なのである。で、そこで、千街がどっち派と思われてるか知らないけど、どっちもしょーもないとものすごく率直に言っているのですよ。
この対立をめぐるいろいろがとっても面白かったのは、評論vsエッセイあるいは本格vs狭義のエンタテイメントというような、みんなが何かいいたくなるスタンス問題に加えて、○○派だと仕事が回ってくる、みたいな飯の種に関する恨みや義憤が関係者のぶっちゃけをまじえつつ絡まってくるせいなのだが、オタクvsサブカルも早くそうなればいいのになあ。嗜好やスタンスだけで論争していても、頭の弱い自分などにはあんまり面白くないのだ。やっぱりもっとこう、昭和の匂いが漂うような、生活臭溢れる議論がみたいなあ。そういう意味では、自分は以前の更科さんの日記はものすごく面白く読んでいたのだが、なんてこの流れで名前を出すと失礼極まりないですね。すんません。
上記の記述を読むために、過去のいろいろを検索していたのだが、大森望日記に一番当時を思い出したよ。
http://www.ltokyo.com/ohmori/980907.html
http://www.ltokyo.com/ohmori/980911.html