東先生の憂鬱

http://www.hirokiazuma.com/archives/000158.html
東先生が情報自由論の出版を中止するんだって。あとコミケで頒布されたコピー誌のPDFが公開されているよ。
このPDFが滅法面白い。相変わらずだーと思うと同時に、正直に言うと、「東先生!先生はのりりんじゃないんだから悩まないでくださいよ!」と思った。本でない、悩む、ってまるっぽ新本格じゃないですか。
ご本人も「文筆業と研究者の境目」みたいなことをおっしゃっているが、それは結構、全国津々浦々の先生ファンが気になってるところじゃないかと思う。研究業界に限っていえば、自分の身の回りの分野では、人を集めてプロジェクトで研究会やる→メンバーが一章ずつ書き、巻末に座談会をつけた学術書を出版する、というのはかなり知的に終わってるとみんなが実感しつつ、でも手軽だからついやっちゃううタイプの成果公表である。isedがどこからお金が出ているのか詳細には知らないんだけど、予算の付き方や東先生のスタンスや人脈からいって、そういうお茶を濁す系成果発表はもったいないし期待されているわけでもないだろう。知的に面白いプロジェクト成果発表というのは、実務的にかなりめんどくさいと思うのだが、ファンとしてはやっぱり期待してしまうなあ。がんばってください。