金田一少年のアレ
http://mirror-ball.net/2005/10/post_9/
2chがきっかけとやらの漫画盗用と金田一少年の例のアレにおける講談社の対応を比較したエントリだが、島田荘司未読でこれから読もうと思っている人は、リンク先はもちろん、このエントリ自体を読んではいけませんよ。リンク先とこのエントリを両方読むと、何が何のネタをわっているかがわかってしまいます。
以下は感情的なエントリであって、新しい情報があるわけではない。犬かぶさんのエントリを読んで、当時の怒りが再燃したので、書いてみるというだけのことである。
金田一少年の例のアレといえば、金田一少年の事件簿の一作が島田荘司のかの素晴らしい傑作とトリックが全くかぶっているという話であって、現代日本のミステリ読みにはまあまあ著名な話である。自分は、当時ミステリを読み始めた友人がまさにこの被害にあったので、今でも憤慨している。金田一少年のほうも悪いできではないと思うのだが、島田荘司の某作品は、単にトリックであるというだけでなくて、御手洗潔のプロフィールとか物語世界全般とリンクしていて、そのトリックがそうであることがわかると同時に全ての霧が晴れるという根源的な存在なので、それに気分良くだまされることができるかどうかは、読者にとってものすごく違う。世の中にミステリのネタは数あるだろうに、なんでよりによってそんな大ネタを模倣するのかと大変悲しかった。ネタとして利用したからには、その傑作を模倣者も読んだのだろうに、あれを読んでちょうどよいパクリ材料としか思えなかったのだろうか。駄作だったらパクっていいのかというと、そりゃ倫理的には駄作だろうとなんだろうとパクっていいわけはない。けれども、世間の誰もが忘れているような作品だとか、ある作品の中でも飾り程度のトリックだとか、パクリにはパクリなりの節度というか粋というものがあるんじゃないだろうか。
などと公憤めかして書いてはみたがもちろんこれは私怨ネタで、島田荘司の某作品は入門者にすすめるのに最適なのに、これのせいで薦めにくくなったのを、爾来ずっと怨んでいるということです。あー腹立たしかった。