零崎双識の人間試験

西尾維新講談社ノベルスISBN:4061823590
戯れ言シリーズのエクストラ。いーちゃんの黒いところは人がばさばさ死ぬところだが、今回も黒さ爆裂。キャラクタの軽重にかかわらずばさばさ殺していくところは、例の“大量死”理論の新たな局面というかちょっと異色の事例に見える。いくら何でも死なないだろうと確信できるのは、戯れ言シリーズでは赤い人と語り部くらいだろうか。でもこの人たちが死んでシリーズ終わりとかいう救いのないことになってたら困るなあ。今回は前のめりに倒れて死ね、という感じだから人死にが大量でも爽快感はある。
講談社webでの公開版に加筆されたのは、ヒトクイの登場人物がでてくるところあたりか。PDF落としてないからわからん。というかそういう書誌学的なことに興味ない。あと二つ名多すぎ。読者を無視した固有名詞の羅列はライトノベル的文法ではよくあることだろうか。固有名詞羅列による世界観提示といえば村上春樹とかだが、そういうのとはもちろん全然違っていて。ゲームっぽいのかもしれない。封入CD-ROMはいいところでばさーっとなるのがいらつくので、外して読む、あるいはCDだけさっさと出す、のがオススメ。Mac使用者は送ったら交換してくれるサービスどうよとか、ばさーっとなりにくいように最初の頁に綴じ込んでくれとか、編集にはいろいろいいたいがまあいいや。カバーの紙がよい手触りでした。せっかくなのでいーちゃん語り部)と哀川さんのファーストコンタクトの本屋(推定)で買おうと思ったが売り切れていた。巡礼者のために補充しておくといいと思う。