姫と呼ぶ文化圏のこと

http://d.hatena.ne.jp/kanose/20040725#hime
に始まった記事ですが、結構おもしろい着眼点だなーと思って気になっていたが、収束したみたいなのでものすごく傍観者的な感想を。
1・素子姫のこと
Artifact@ハテナ系の元記事のなかに

オタク文化圏だと新井素子の「素子姫」があるので、
SFコミュニティに発祥があるのではないかと思われる。

という一文があるが、これに関しては第三者としては、id:akaponさんの見解を求めたくてタマラナイ。kanoseさんは教えて>akaponさん!をするべきだ!するべきだった!と主張しておこう、って冗談です、すいません。個人的な趣味として、この当時のSFものの人がこの当時のSFネタについて書くのを読むのが大好きなので、こっち方面に話がひろがればなお興味深いなあ、と思った。古いSF話はなんでもおもしろいが、素子姫がらみの話は特に何かパーソナルツボをつくような気がする。
2・「文化圏とか言うほどのことちゃうんちゃう?」という反応について
http://d.hatena.ne.jp/naberius/20040728 とか
http://d.hatena.ne.jp/izumino/20040731#p1 とか。
naberiusさんが言っていることもizuminoさんが言っていることも共感できる。naberiusさんの

それにしてもこのオタク特有の「なんでもSF起源説」には、ほとほと嫌気がさしますので勘弁してください。

にはなにか琴線がズガーンと揺れたし、izuminoさんの

具体的な事実を挙げた意見(風俗とかオールナイトニッポンとか)なら資料として価値があると思いますが、
事実性や資料性を重んじればこそ、ヘタなサブカル分析(主観語り)は危ういと思うわけですが。

にはそうだなあ気をつけないとなあ、と思う。これらに対するkanoseさんの反応はしかし、本論よりも「リンクしないで言及するという行為」http://d.hatena.ne.jp/kanose/20040801#unlinkとして展開されていて、議論とかプロレスとか言うにはすれ違っている感じがするが、もとが感覚的な話題でしかも特に主張とか議論とかいう振りかぶった感じではない(と読めた)ので仕方ないかもしれない。本題よりも「リンクしない」のほうが興味深い行動だったのじゃないかな。もちろんnaberiusさんやizuminoさんは、感覚的な話題としてそういうことを持ち出す姿勢そのものに疑義を呈しているのだろうけれど。
人のことはさておき、翻ってみれば自分こそがごく気楽な、「そだよねー変わってるよねー」的なスタンスでトラバしてまで参加したので、そういう批判はkanoseさん以上に受ける立場だよなーと思う。そこで考えてみると、全くもって偏見であり論理的資料的根拠が薄いという指摘には心底同意なのだが、やっぱり「他称の“姫”ってなんかオタクくさい」と思うし「そういうつどいを見るとひいてしまう」と思うのもまた事実だ。だからむしろ問題は、「なぜ“姫”とよぶ人々を見るとオタクくさいと感じてしまうのか」という自分の中のフィルタリングにあると思う。でもここでまた「オタク」の定義の問題に立ち返ってしまう。自分には、ある一定の入力に対してある一定の出力をするようなブラックボックスを持っている人がオタクだとする感覚があって、一冊の漫画もよまず一本のゲームもしないひとでも、「オタクだ...」と感じてしまうひとがいる。ここまでラディカルに解体してしまっているのは自分だけかもしれないが、しかし一般的にも、実体の名称「オタク」と形容詞「オタくさい」は分離しているんじゃなかろうか。ある種の振る舞いを、その人間の実態はさておいて、「オタくさい」と形容するムードがあるんじゃないか。だとすると、「○○という行為はオタクに限ったことではない」という弁明は成立しない。「○○という行為をする人ってオタクっぽい」と思っちゃってるわけだから。
この話はなんかそれなりに重要なことにつながりそうな気もするけど、アタマがまわらないので今日はこの辺で。