こんな本まで出るということ

「推理クイズ道場 ウミガメのスープ」という2ちゃんねる本が出たそうな。
http://basilico.co.jp/bangaichi/

推理クイズ道場 ウミガメのスープ
海亀素夫 編著 2ちゃんねる 監修 
誰でも気軽に楽しめる2ちゃんねる流推理クイズ130問。
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「ウミガメのスープ」とは、2002年7月から2ちゃんねるの
オカルト掲示板で始まった、全員参加型推理ゲームスレッドです。 1万題以上の難問、奇問、良問から選りすぐって構成しました。

元ねたは結構有名だから、「ウミガメのスープ」でぐぐれば出てくると思う。もっとも、「ぐぐればでてくる」ようなことが本になるなんて!、と言いたい訳ではない。
2ちゃんねる本っていろいろな角度があると思うが、2ちゃんねるへのレス/投稿を編集するタイプの本というのは、読み物系の本だと思っていた。ネットの特性と相容れない、じっくり落ち着いて(あるいはねっころがってぼんやりと)読みたいなあというようなタイプのレスをつづった本だと。装丁はA5判くらいで手触りのいいカバーがついているとなおイメージどおり。実際はそうでもないけれど。
ところがこの「ウミガメのスープ」って、サイトで立ち読み部分を見る限りでは実用書チック。もっというと「頭の体操」チック。うーむ。これってやっぱりインターネットを利用しない層がメインターゲットなのかしらん。こういう一問一答式の本はネットで、たとえばまとめサイトを見るのとあんまり変わらないと思うのだけど。
はてなダイアリーを本にする」でも、人の日記を本にできればいいなあと思うときがしばしばある。長く気持ちよい文章は、紙の手触りでひなたでねっころがって読みたい。そういう感触とか重みとか携行性こそが本にあってネットにないものだと認識しているのだが、そういう「本という形式で読みたい文章」と想定している範囲に、こういう実用書めいたものはなかった。意表をつかれた思いがする。要は自分の「本」へのイメージと、その他世間とのイメージのずれなのだろうが(「頭の体操」ってすごく売れてるそうだし)、自分の乏しい想像力の範囲ではものすごく斬新なできごとだった。しかしいったん気づかされてみると、むしろ、こういう実用書系の小ネタ集めにはものすごい威力を発揮しそうにも思える。あれだけのレス数を資源にもってると、小銭を稼ぐのは案外、簡単なのかもしれないなあ。