春の七草について気になって調べたこと

これも旧聞に属することですが、春の七草がふと気になったので調べてみた。七草の内訳は「せり なずな ごぎょう はこべら ほとけのざ すずな すずしろ」なわけですが、すずな=蕪、すずしろ=大根というのはよく知られていますよね。野菜やん!草ちゃうやん!、と思ったわけだ(ざこば風に読んでください)。それがきっかけでいろいろ調べてみたところ
春の七草の起源はとっても古いっぽい
もともとは中国の習俗「人日」(正月七日に七種類の若菜を食べる風習)が奈良時代に日本に入ってきて定着。また同様に正月子の日に若菜引きをする行事も入ってきた。醍醐帝の延喜年間に公式化した。ただし野草の種類には異同があり、現在の七種(というか五七調が見られるのは鎌倉時代の河海抄が一番古いらしい。
http://evagenji.hp.infoseek.co.jp/co-0401-02-11.htm 
http://www.geocities.co.jp/NatureLand/2652/nanakusagayu.html
ほとけのざは和名ホトケノザとは別。
七草に言う「ほとけのざ」は和名・コオニタビラコのこと。ホトケノザは普通に見かけられるが、コオニタビラコは地域によって絶滅が危惧されるほどかなり少なくなっている。ちなみに秋の七草春の七草よりさらにやばい。
http://home.att.ne.jp/sky/nakayamatsu/ys633.htm
http://www.erc.pref.fukui.jp/gbank/RDBplant/data_p/plant262.html
http://www.zennokyo.co.jp/field/hr/hr_6.html
・大根は日本在来ではなく地中海からもちこまれた外来植物
シルクロードを通じて入ったそうだから、日本にやってきたのはかなり古い。しかし現在のような品種が確立するのは江戸時代か。練馬大根・宮重大根などの栽培の歴史は江戸期から。
http://www.vegefund.com/panfu/radish/radish.htm
・蕪も外来植物
原産地はアフガニスタンあたり。日本に入ったのはかなり古く、弥生時代には伝来していて持統帝のころには栽培されていた。80種あまりの多様な品種がある。系統的には蕪、白菜、水菜、壬生菜、青梗菜は同種(Brassica rapa)の変種にあたる。
http://www.vegefund.com/panfu/kab/kab.htm
http://had0.big.ous.ac.jp/~hada/plantsdic/angiospermae/dicotyledoneae/choripetalae/cruciferae/cruciferae.htm 
というわけで、現在の七草が定着した頃には、蕪も大根もすでに栽培種だったわけですな。けど品種改良の歴史を考えると、今のようではなかったと思われるし、だいたい栽培種はどちらも夏に蒔いて冬前に収穫するのだから、春先(2月くらい)にはないんじゃないかとも思う。若菜摘む衣には雪が降ったりするんだから、その時期には畑に大根はないように思うんですけどね。どうなんだろう。栽培化がいつからはじまったかと品種の歴史を調べないとわからないっぽいなー。若菜だから根茎ではなくて葉を食べてたということはまちがいないと思うけれど。
ちなみに知人が春の七草について、「ごぎょうスピノザほとけのざ」と言っていた。ちがう。だいぶちがう。なんかちがう。けど、うまい。ナイスrhyme。