『噂の真相』25年戦記

岡留安則「噂の真相」25年戦記 (集英社新書)
噂の真相のできるまでとできてからの事件史、のようなもの。なかなか面白かった。でも噂真関連商品をまた購入してしまった自分にふと自己嫌悪。マンションのローンを完済しているような人に、なぜこうも貢ぎ続けているのだろうかと。「雑誌にはヒューマン・インタレストがないと面白くない」という指摘とそれを実証するところはすごいとおもう。下世話さに惹かれて買っていた読者としては納得。主義主張や理念を持ちつつ、きっちり商売しているところもなかなか得難い特性だと思う。しかし全体に横溢する自分ぼめ・自画自賛記述にはわらった。「戦記」というよりはまるで敵軍の航空機がまく情宣ビラみたいな雰囲気。終了間際の噂真は、スタッフが雑誌を好きすぎている感じがして甚だ気持ち悪かったが、そういう薄ら寒い自分スキーとは少し趣が違って、岡留さんによる自画自賛はなんかあっけらかんとしている。「よーゆーわ」というのが感想だけど、謙遜の美徳とまったくすれちがっているというか、文化風俗がちがうところの人って感じ。ラテン系とかいわれてるのはこういうところなんかな。しかしどう読んでも特定個人の芸としての雑誌であったことがよくわかる。早く終わるのは正解だったんだなあ。