不在の鳥は霧の彼方へ飛ぶ

パトリック・オリアリー: 不在の鳥は霧の彼方へ飛ぶ (ハヤカワ文庫SF)
長く読めるどっしりしたSFが欲しくてブクオフで購入したけれど、予想外に面白くてあっという間に読み通してしまった。鳥が活躍するSFなので鳥SF好きの人にはよいかもしれない。鳥SFってなんだ。夢路行の漫画にも、鳥は小さいのにちゃんと動いていて気持ち悪いというエピソードが出てくるが、本書でも、鳥の得体の知れなさの描写がすごい。作者紹介にPKDの衣鉢を継ぐ、みたいなことが書いてあったけど別にPKDに似ているとは思わなかった−−という読後感に対しては、神林長平の解説で補完された。一般的な概念の「解説」からみるとちょっとはずしてるけど、ずっと読んできてエンドマークを迎えた後に読むと爽快な解説。