アイルランドの薔薇

アイルランドの薔薇 (光文社文庫)

アイルランドの薔薇 (光文社文庫)

昨年末のこのミスが石持浅海推しだったのでとりあえず購入した一冊、だったが、大変に面白かった。大当たり。
事前情報としては、「アイルランド独立紛争が背景らしい」「非正規軍の小競り合いが関係するらしい」「本格パズラーらしい」くらいしかなかったので、正直、それほど期待していなかった。というのも、“物語装置は社会派だけど謎解きは本格”という触れ込みの作品とはどうも相性が悪いから。自分は本格推理小説は謎―解明のカタルシスが好きで読んでいるので、あんまり深刻な社会問題だされても、もひとつ、その。というわけで、今回も、ひとつだまされてみるか...くらいの消極で臨んだわけだが、いやー、ほんとに本格推理小説でした。謎もキャラクタもばしばしで、アイルランド情勢は適度なエッセンス。ちょっと伊坂幸太郎っぽいような気もしたけどそれは気のせいかもしれない。urouroさんと趣味があう人には面白いと思います。おすすめ。
以下、内容にふれた感想。
「殺し屋」の正体だけは経験的に(笑)すぐわかった。無駄な経験をつんでいる自分が残念だ。最後の方で明かされる意外な事実は、途中、あやしんではいたものの確信はしていなかったので、ほーという気持ち。