フリッパーズ・ギターを巡る噛み合わない会話

以下の会話は自分と友人(信じられないぐらい現代音楽に興味ない人物・70年代くらいの洋楽にはむちゃくちゃ詳しいが当方に全くその素養がないため何を適切な例と引いて良いかわからないようなバンドばかり追っている)との間で交わされた会話である。

自「辻加護は21世紀のフリッパーズ・ギターかー(上を参照のこと)」
友「ふりっぱーず・ぎたーってなに?」
自「君はフリッパーズ・ギターも知らんのか!?」
友「ロバート・フリップと関係ある?」
自「そっちの方がわからんに決まっておるだろう。誰だそのおっさんは」
友「怒!クリムゾンを馬鹿にするとゆるさんぞ!で、誰よそれは。」
自「えー、だからー日本人でー、小沢健二とか小山田圭吾は知ってるか?」
友「小沢健二カローラの人?」
自「そうそう。カローラ2の歌は知ってるのか。」
友「カローラ乗ってたからー。たしかきもい人だよねー」
自「“カローラ2に乗って”しか知らんくせにきもいとは何事だ!」
友「えー、だって“子猫ちゃん”とか言うんだろー」
自「…君の小沢健二に関する記憶は偏りすぎだ…」

あまりのかみあわなさが面白かったのでクリップ。

BUBKA 04Mar.

先月・今月といくつか新しい連載が始まっている。今月からはターザン山本の人生相談が開始。構成:吉田豪なので楽しみ。プロレスに別に興味がない自分は、いったいターザン山本が好きなのか、吉田豪ターザン山本が好きなのかよくわからない。高田延彦暴露本抗議本(ISBN:4775302388)は面白かったが。
「珍婚さんいらっしゃい」は第一回と書いてあるが(もちろん谷亮子サンネタ)つづくのだろうか。元外務省天木直人氏の対談企画も今後もつづくのだろうか。逆に今号で終わりはムルアカ・クッキング。倉田真由美とヨーコ会長の恋愛道場っていうのは先月で終わりだったようだ。気づかなかった。
自分には音楽や映画の趣味はないがレコ評や映画評を読む趣味がある。というわけでBUBKAモー娘。評を読むのがおもしろいのだが、やっぱり掟ポルシェはおかしい。今号のモー娘。ネタは辻加護卒業ネタだったが、この二人のユニットは今後どういう展開がいいか、についての掟の文章。タイトルは「辻加護は21世紀のフリッパーズ・ギター!?」

(前略)永遠なる親戚の子供的記憶に勝とうとするなら、こと音楽に関しては破壊的な味付けをして作り物として全くの別物にならなきゃダメ。これからリリースする曲全部ザッパのコピーだとか。(中略)解散後は加護がニューヨークに籠もって新作を何年も出さなくなり、辻はテルミン奏者になるとかが理想。(後略)

600字くらい?の枠だが全部おかしい。狂ってる。自分はザッパ云々のところだけで衝撃的に吹き出した。全体を読むともっと狂ってる。
BUBKA全体のモー娘。論考には、とるにたらないアイドルのような存在を真面目に語るとかいろいろな素養を下敷きにしてくるとかいう、きわめてオタク的雰囲気を感じるが、70年代や80年代のオタク論考とはことなりアイドルを作る側からもそのような語られ方を織り込み済みというものすごいメタ感がある。同様の例では、木尾士目げんしけん」に対するオタ論。咲ちゃん萌えーとかは別だが、"漫画表現における服のしわがとかって語るオタク"であるところのげんしけんメンツの語りを肴に語っている人々。めくるめくメタ感である。筒井康隆ならそろそろ階層をぶちやぶって主人公が飛び出してくるところである。そう言う展開って、BUBUKAではどのように起こるのだろうか。辻や加護が「よく書けてる!」とかコメントしだしたら面白いだろうなあ。「好きなアーティストはライムスター」でもいいや。「好きなアーティストはロマンポルシェ。」は無理だろうな。
BUBKA全体としては政治ネタなども増えてきて、ちょっとまたかわりつつある印象。辛酸なめ子の広末魔女論、アイカワタケシがめずらしく褒めてるミスティックリバー評など連載は今月も堅調。ドクター中松だけはちょっと。

キーワードの魔力

爪が伸びるとキーボードが打ちにくい。早く爪切ろう。ではなく。
毎日「金原ひとみ」で何人もの人が来る。しかし自分は金原ひとみをよんだことがない。ここには画像もない。申し訳ない。残念ながらキーワードの性質上仕方のないことである。微妙に気になるので次に本屋に行ったらあとがきくらい立ち読みしてくることにする。というか、大道珠貴ではそんなにこないぞ。大道珠貴BUBKAで連載してるからまだ幾分語れるのに。笙野頼子とか。
文学賞作品リストのポータル:http://www2.odn.ne.jp/mysnavi/award.html
芥川賞受賞作品リストから今ではマイナーっぽい作家名を並べて、金原ひとみのブームぶり(綿矢りさについては書いてないので来てないのかもしれないけどここで書いたらいっしょか)をおもしろがろうと思ったが、リストを見ているとそれよりも吉行理恵が受賞しているのを見て驚いた。昭和56年上半期。えー。そっちのほうが驚いた。宇野鴻一郎 は有名だが、吉行理恵は意外だ。
ジェフリー・ディヴァーはキーワードになってないのだなあ。コリン・デクスターはどうだろう。本棚の本、片っ端から試して何がキーワードなのかどうかチェックするとおもしろそうである。