蛇神降臨記

DOMAIN:スティーブン・オルテン:文春文庫:蛇神降臨記 (文春文庫)
伝奇冒険活劇、なのかな。マヤ暦で世界の終末な日に何かが起こる、というおはなし。SFというかファンタジーというかとりあえず現代の感覚では明らかにつくりもののおはなし。
舞台はアメリカで、副大統領がチェイニーという黒人なんだけど、現在では本当に副大統領がチェイニーなのでちょっと混乱する。しかしアメリカ人作家によるこの手のお話はどうしても社会派的側面を絡めなくてはいけないのか。世界戦争とか米ロ対立とかそういう社会的事象とSFとか伝奇ものとかは純粋に切り離されている方が好みなので、その辺やや不満。
途中までひたひたと伝奇謎解きっぽく進んでいくのに、最後がいきなりハリウッド映画みたいになってわらった。一応、落し前はつくし、いやなやつはちゃんとひどい目にあうので、最後まで読めばいくばくかのカタルシスはあります。結論としては、新刊で買わずにブクオフで買ったんだけど、それでちょうど良かったって感じだ。
ところどころにずっこける比喩があるのもいい。エイリアンとか超古代文明とか壮大な話なのに、「市バス4台分をつなげた大きさ」とか「屋外広告板くらいの大きさ」とか。クライマックスでそれはないって。