序章−かまやつ女の経緯

2003年9月:カルチャースタディーズ研究所(三浦展氏主宰)による「かまやつ女」の発見。
この調査に基づく“ファッション社会学分析”の結果は刊行物となっている。
 ▼http://www.culturestudies.com/youth/youth03.html

最近、原宿や下北沢でみかける、帽子をかぶった女子。古くさい、おじさんみたいな帽子で、
髪型ももっさりしていて、服装は楽ちん風。まるでかまやつひろしのような風貌が特徴だ。
そこでカルチャースタディーズ研究所では、こうしたファッションの女子を「かまやつ女」
と名付け、街頭でインタビュー。

 ▽このときの分析は、楽であることが自分らしい/らしさの崩壊/階層格差の時代、など。
2003年10月?:カルチャースタディーズ研究所のwebによる続報。
 ▼http://www.culturestudies.com/youth/youth05.html

先月号では「かまやつ女」という新しい流行を取り上げた。夏なら麦わらのカンカン帽のような
帽子、冬は毛糸の正ちゃん帽か野球帽をかぶった若い女の子のことだ。彼女たちは全身が女らし
いファッションはかっこわるいと考える。男女平等が当たり前の時代に育てば、そういう価値観
が拡大するのもわかる。

 ▽男らしさ・女らしさの崩壊→衣服のユニセックス化という論旨
2004年4月:PSIKO第43号 三浦展氏の記事
 ▼http://www.tohjusha.co.jp/backnumber/vol_43.html

若者の「自分らしさ」志向は本物か?
第1回 増殖するかまやつ女
    それは「無性化」「階層化」する社会の象徴か?

◆三浦 展

 ▽内容未見なれど、タイトルからはカルチャースタディーズ研究所の分析と同じキーワードが見受けられる。
2004年5月:PSIKO第44号 松谷創一郎氏の記事
 ▼http://www.tohjusha.co.jp/backnumber/vol_44.html

若者の「自分らしさ」志向は本物か?
第2回 増殖するかまやつ女 街頭アンケート調査結果

◆松谷創一郎

 ▽同様に内容未見。しかし「増殖するかまやつ女」は三浦氏の分析と同じ表現。
2004年6月:サンデー毎日7/4号における特集記事
 ▼http://www.mainichi.co.jp/life/family/syuppan/sunday/2004/0704/tokusyu1.html

共通しているのは、
1 20歳前後
2 中性的というより無性的なファッションを好む
3 クリエーティブ思考が強く、学歴にこだわらないため専門学校卒などが多い
 という3点だ。
「かまやつ女」という名前は、彼女たちの服の着こなし、髪形、帽子などの外見が、ミュージシャンのムッ
シュかまやつ氏に似ているところからつけた。
 この名には、「飄々(ひょうひょう)と自己のスタイルを持ち、いつとはなしに見かける存在」であるか
まやつ氏が、のんびり構える彼女たちを象徴しているという意味もあるそうだ。

 ▽「六條女」についてはここが初出か。「六條女」の命名も三浦氏によるようだ。

 一方で、かまやつ女の対極として、彼女たちを追い込む“天敵”も出現している。三浦氏はこの一群を
「六條女」と名付けた。