ネコソギラジカル(上) 十三階段

西尾維新 ネコソギラジカル (上) 十三階段 (講談社ノベルス)
戯言シリーズ最終章三部作の第一弾。待ちかねた。しかし大きめの本屋に行かないと入手できないっていうのはどうなんよ。沿線駅の雑誌中心文庫少々な本屋3軒見たけれどなかった。爆発的に売れてるらしいのに、ちゃんと仕入れろよ。それとも売れてるっていっても所詮狭いサークルの中でのことなのか。西村京太郎ほどではないのか。ターミナル駅の大型本屋では大々的に平積みだった。
一読して驚いたのは、作者はちゃんと伏線を畳みにかかっているなあということ。けれん味たっぷりな舞台設定は、どうせそのまま放置されるんだろうと諦めていたけど、存外ちゃんと説明を付けられそうな雰囲気。やるなあ。あとやっぱりりすかとか他シリーズに比べて、このシリーズは明るい。前向きなムードがある。これは読んでてうれしい。胸がすきます。他のシリーズも読んで西尾維新は上手いし好きだと思ったけれど、やっぱり戯言シリーズが一番いいなあ。終わると思うと勿体ないが、これ以上ひっぱられても飽きるだけなので、ここらで終わりというのも好印象。
以下、ネタバレを含めて感想。



・十三番目の正体はそうだろうとおもっていたけど、「橙なる種」が「代替なる朱」にかかってるとは思わなかった。うなった。
・因果から追放されているから最強のくせに請負人なのだ、にはなるほどなあと。うまいこという。
・姫菜さんをなぜ殺す必要が、と思いきや、「姫菜さんのニックネームも姫ちゃん」には感服。つまり8月は姫ちゃんが、という月なんですね。
・狐さんチームといーちゃんチームはたぶん対応するはずだけど、いーちゃんチームには殺し屋ばっかりで、呪い名とかそれ系の変化球投手が思い当たらない。あー、七々見がそれっぽいのか?あとは春日ちゃん?
・零崎はたぶん死んでないと思うんだけどどうだろ?「言葉が通じないやつにも俺のナイフは刺さるぜ」なんだから、ノイズとかは零崎向きだと思うけどなあ。
・みいこさんをひどい目にあわせるなんて!と思ったけど、あれは作中で語られることプラスあの曲者アパートメンツを引っ張り込むための仕掛けなのだなあ。となるとやっぱり七々見登場?
・チームのメンバーも出てくるのか?その場合式岸軌識=…っていう、外伝での無駄に込み入った設定はどう作用するのか?
・6年前に妹が死んで、友を壊して渡米→ER3で親友や先生と出会い、実験失敗のために親友が死んで失意のうちに帰国
・崩子ちゃんの宣誓(契約)より匂宮の宣誓の方がかっこよかったなあ
・らぶみさんが哀川さんにちがいないと思っていたのだけど、ちがったんかなあ