月刊 紙の爆弾  0505

鹿砦社
○○の後を継ぐ、っていって始めるのは言うまでもなく両刃の剣で、○○が好きだったから見てみるかと人目を引く反面、○○と比べられてしまうことは避けられない。自分は94年からのウワシン読者なので、ウワシン史からみると安定していた時代しか知らないことになり、自分の思うウワシンイメージと紙の爆弾を比べることは本来筋違いなのだろうと思うけれども、でもやっぱり比べちゃうんだよなー。
今回はメディアネタを中心にもってきている。香取慎吾結婚ネタと細木数子とKKネタは面白かった。あとは目新しい話は少なかったが、個人的に角川兄弟好きなので角川書店ネタは楽しめた。週刊新潮の記事はひどい。特集以外では安倍晋三ネタに感心した。コラムがないのと、記事ばっかりで遊びのページが少ないのは不満だけれどしかたないかなあという気もする。内容についてはだから、こんなもんかなという感じ。スタイルはこれから出来るのだろうし。裏表紙がジャパンライフっていうのはVZエディターに比べるとアレだな。いやアレとかいうよりむしろ、積極的に心配だ。大丈夫なの?
しかしどうにもこうにも我慢できないのが文章の拙劣さ。署名でない記事(○○取材班とか)の文章がひどすぎる。以下、バスの中で流し読みした時にひっかかった箇所をあげる。

あるいは、スキャンダル体質の病床とは何なのか。(P.44)

評価(;´Д`):スキャンダル体質を病にしてどうする。病根と温床が混じった?

『倶楽部伸介』いうテレビ番組があった。島田伸介がゲストと本音で話す、深夜枠の番組だ。(P.50)

評価(;´Д`):番組名もタレント名も表記がちがうってなー。

「...やはりコンテンツを買い集めたいのでしょう。これからはコンテンツをあらゆるメディアで活かせるワンユースビジネスが求められるのです」(経済ジャーナリスト) (p.54)

評価(゜Д゜):あらゆるメディアで利用するのは「マルチユース」ではないの?しかしこれはちょっと自信ない。

「...細木数子本が売れるものだから、社長はやりたい放題で綱紀粛正が緩む。...」(管理部社員) (P.63)

評価(;´Д`):「綱紀粛正」は「緩む」ようなものではありません。

「...と見ています。...メリットだ。...とは思わないが、...と想像できるのです」(大手書店営業部) (P.71)

評価(;´Д`):わずか5行ほどの「」内の文章で文体がごちゃごちゃってどうよ。

朝礼の際と退社時には、この写真に向かって全員が敬礼するという。武井が会長を辞任後は写真も取り外されたが、このカリスマ性がすべてを物語っている。

評価(゜Д゜):こんなん「カリスマ性」っていうかなあ?

机に座って赤ペン片手に見ればもっとでるだろうな。上であげたのは、語の誤用ばかりだけど、文意が一文の中であっちいったりこっちいったりしているとか文法上の問題もあるし、さらには段落ごとに言いたいことがすれ違っているというわけのわからんところもある。なんかちゃんと推敲してないんじゃないかと思うわけで、こういう文章をお金取って読ますのやめてほしいわ。まあでもこの辺は意見が分かれるかもね。調査報道の力点はネタであって、文章などパッケージでしかないという考え方の人なら、これくらいは許容範囲かもしれん。でも、ここで冒頭のアレが効いてくるんですけど、ウワシンは文章まともだったんだよ。むしろ美文調とすらいえるかもしれない。明治時代の新聞というくらいの美文ですけどね。
話は逸れるが、実話ナックルスも文章はきりっとしているところが多い。それに比べるとBUBKA系は今ひとつ。マッドマックスはイマイチだし、ウラブブカの文章はかなりひどい。でもこの二つの差はライターの年齢層の問題かもしれないという気がしている。
ジャニーズおっかけマップほか、裁判を恐れないというかいけいけなところは鹿砦社のつよみなので、「タブーを恐れず」については心強い。しかし肝心の中身のうち、文章がこれではなあ。今後は立ち読みメインで時々購入という感じでしばらく見守ろうと思う。
*追記
P.109の高須基仁の原稿はBUBKA5月号の高須コラムとまったく一緒。二重売りなのか、紙の爆弾側がそれでいいといったのか、紙面からはわからないが、個人的には不快。